製品開発の用語集

製品の開発・量産の現場で出てくる用語を、短く解説します。 MEZASHIの各チェックツールの設問にも、この説明が付いています。

量産準備

試作から量産へ進むときに出てくる用語です。量産準備度チェックの設問より。

図面・設計データ

IP等級
防塵・防水の保護等級(JIS C 0920 / IEC 60529)。IP54、IP67のように表記します。
EMC
電磁両立性。機器が出す電磁ノイズを抑えることと、外来ノイズで誤動作しないことの両方を指します。
公差
寸法に許される誤差の範囲。厳しくするほど加工コストが上がります。
一般公差
個別に公差を指定しない寸法へ一括で適用される公差。図面の隅に「JIS B 0405 中級」のように指定します。
BOM(部品表)
Bill of Materials。製品を構成する全部品の一覧表。型番・数量・材質などをここで管理します。

形状・材料の製造性

射出成形
溶かした樹脂を金型に高圧で流し込む量産工法。数量が多いほど単価が下がりますが、金型費がかかります。
圧空成形
加熱して軟らかくした樹脂シートを、圧縮空気で型に押し当てて成形する工法。射出成形より型費を抑えやすく、少量〜中量の生産の選択肢になります。
真空注型
シリコーン製の型に樹脂を流し込んで複製する工法。金型より型費を抑えられ、数個〜数十個の少量生産や量産前の試作に使われます。
板金加工
金属の板を切断・曲げ・溶接などで形にする加工。専用の金型が少なくて済み、少量の生産にも向きます。
ダイカスト
溶かした金属(アルミ・亜鉛など)を金型に高圧で流し込む鋳造法。数量が多いと単価を下げやすい一方、金型費がかかります。
抜き勾配
金型から成形品を抜くために側面に付けるわずかな傾斜。一般に1〜2度程度。垂直のままの面は金型から抜けません。
ヒケ
樹脂が冷えて縮むとき、肉厚部の表面がへこむ外観不良。
ソリ
冷却の不均一などで成形品全体が反る変形。組立時の隙間やガタの原因になります。
リブ
強度を出すために付ける薄い補強壁。板厚を増やさずに強くできます。
肉盗み
厚くなりすぎる部分の裏側をえぐって、肉厚を均一に近づけること。ヒケ・ソリ対策の基本です。
アンダーカット
金型を単純に開閉するだけでは抜けない形状(横穴やツメなど)。
スライド
アンダーカットを成形するために金型内で横方向に動く機構。型費が上がる要因になります。
曲げR
板金を曲げたときの内側の丸み(半径)。小さすぎると割れや工具の制約に当たります。

組立・検査・外観

すり合わせ
部品同士を現物合わせで削ったり調整したりして組み上げること。試作では普通ですが、量産では成立しません。
治具
組立や検査で部品を正しい位置に保持・案内する道具。
シボ
表面に付ける細かい凹凸の質感加工。金型側に彫刻して転写します。
限度見本
「ここまでは良品」の境目を示す実物サンプル。外観検査の基準として使います。

調達・パートナー

EOL
End of Life。部品の生産中止のこと。電子部品で特に起きやすい問題です。
リードタイム
発注から納品までにかかる期間。金型は一般に数ヶ月かかります。

コスト・数量・計画

イニシャル費
量産を始めるために最初に一度だけかかる費用。金型費や治具費など。
歩留まり
生産した数のうち、良品になった割合。
量産試作
量産と同じ工法・材料・工程で行う試作。切削試作では見えない問題(ヒケ、ソリ、材料特性の変化)を量産前に確認できます。

ユーザビリティ

機器の使いやすさを検討するときに出てくる用語です。ユーザビリティ検討度チェックの設問より。

使用者・使用環境の把握

タスク分析
使う人の作業を順番に書き出して、どこで迷うか・手が足りなくなるかを見ていく方法。

操作部の設計

視野角
画面を斜めから見たときに、表示が読める角度の範囲。
ステレオタイプ
多くの人が共通して持っている「こう動くはず」という期待。国や業界によって違うことがある。

画面・GUI

色覚シミュレーション
色の見え方の違い(色覚特性や加齢による変化)を再現して、画面や表示がどう見えるかを確かめる機能。デザインツールに付いているものもある。

誤操作・安全

ポカヨケ
間違った手順や向きでは物理的に進められないようにする作り方。注意書きに頼らずに誤りを防ぐ。

参考情報源

ここでの説明は、概要をつかむための簡単なものです。正確な定義や要求事項は、規格・法令の原文を確認してください。